まかないくん解体新書⑤「煙を消す」

こんにちは!まかないくんです。 「炊き出し器なんてみたことないから、何が違うのか分からない」 という意見にお応えすべく設けました、この企画。 「まかないくん解体新書2018」 栄えある第五回のテーマは「煙を消す」 まかないくん自身、薪で使用することが「一番難しい」と感じています。 なぜか?以下の図のようになるからです。 LPガスバーナー・灯油バーナーであれば熱方向が一定ですが、 ※大変見苦しい画像で申し訳ございません。 薪になると、熱方向が分散し、四方八方に熱が行くからです。 薪炊きによる断熱構造で下には熱が行かなくなりましたが、側面は一重のため熱が行ってしまう。 そこで二重構造にすることにしました。 そこで、当時流行っていた「薪ストーブ」の「ツイスト燃焼」という技術を採用しました。 その形状のために、側面を今までアルミ缶のように一重ではなく、「魔法瓶」のように二重構造にしました。 狙いとしては以下のような排気ルートを確保したかったからです。 そうすると内部の温度が上がり、高温域を排気が通るため「完全燃焼して排気」されるため、煙が消えました。 そして煙が消えると同時に、中の薪も「薪→炭→灰」と段階を踏んで燃え尽きるため、灰の量が少なく、燃え残りの炭も極端に少なくなりました。 これはカマドの中の温度の高温状態が続き、しっかりと完全に薪が蒸発した状態で燃え尽きたことを意味しており、そのおかげで薪使用の場合、少量の薪で長時間使用が可能になりました。 薪炊き用で優秀なカマドになった「まかないくん」ですが、ここで問題が発生しました。 それは・・・次回をお楽しみに。

まかないくん解体新書④「まかないくんの底っ、こだわりなのっ!」

こんにちは!まかないくんです。 「炊き出し器なんてみたことないから、何が違うのか分からない」 という意見にお応えすべく設けました、この企画。 「まかないくん解体新書2018」 栄えある第四回のテーマは「まかないくんの底っこだわりなのっ」   これまで2回・3回を通して底面は「3層構造」であれば長期的にキャスターが劣化しないことがわかりました。 そして幕間でお話した戦場での炊飯のやり方を参考にし、以下のような形状にしました。 これにより以下のメリットが得られます。 キャスターが熱によって劣化しない 灰が下にまとまって落ちる。 薪が真ん中に寄るため、火バサミなどで薪を移動せずに燃やすことが出来る。 これで「動かせる」が完成しました。 ヤマヤ物産で提供するすべてのカマドの底形状は、この形状で統一しています。 実はこの形状のおかげで、大変評価を受けたことがあります。 それは「東日本大震災」でした。 あの震災は「地震」というよりも「津波」の災害。 津波が引いたあとも、避難所では満潮の時には屋外は水浸しになるところもありました。 つまり、以下のような使い方もされてしまう可能性がある震災でした。 それぞれ、取扱説明書には禁止されている使い方ではあります。 しかし、災害時、「どうしても使わなければならない場面で使える商品こそが防災用の炊き出し器ではないでしょうか?」と私たちは考えます。 普段であれば確かに危険な使い方として注意します。 しかし、いざまさかになったとき、安全性の面において「過剰」であるほどの性能を確保しておくことが大事だとヤマヤは考えます。 その一端である、「底形状」。 ご理解いただけると幸いです。  

幕間:野外炊飯の方法

こんにちは!まかないくんです。 本日は解体新書から少し外れた幕間をお知らせしたいです。 その名も「野外炊飯の方法」です。 かつての戦場にて、炊飯を行う場合、実際にはこうなっていたというお話です。 ※相変わらず見苦しい絵ですが、土の線を表しています。 この土を以下のように、 真ん中に窪みができるように、掘り込みます。 そして、そこに目皿を乗せ、 その上にドラム缶式を乗せます。 そして中に薪を入れて火をつけることで、 下の掘りこんだ隙間から空気が入り、良く燃えます。 そして、薪をどんどん追加していくと灰がたまりますが この形状であれば下の掘りこんだスペースに灰がたまり、 燃焼の邪魔をすることがありません。   当時はこのような手間をかけて使用していたそうです。 今の私たちの身の回りには、なかなか土のところがなく、炊き出しをするときに 掘りこむスコップ等も手間もかけることはしません。 ということは、カマドの形状は この形では不十分で、 この形が本来ではないかと考えました。 いかがでしょう皆さん。 こちらの方が合理的な構造だと思いませんか? なお、まかないくんはこの部分に、灰受け皿が付いております。  

まかないくん解体新書2018③「キャスターが燃えない構造」

こんにちは!まかないくんです。 「炊き出し器なんてみたことないから、何が違うのか分からない」 という意見にお応えすべく設けました、この企画。 「まかないくん解体新書2018」 栄えある第三回のテーマは「キャスターが燃えない構造」   前回の記事ではキャスターが燃えない構造になるには以下の方法を試すことになりました。 1、ドラム缶の下をつける。 2、下にもう一層空気層を入れる。 3、さらにもう一層空気層を入れる。 なお、この実験は「薪」で行っています。(なぜ薪なのかは別の項で説明します) 1はこのような感じです。 何もないよりは熱が行かないのですが、それでもかなりの高温で、キャスター(ゴム車)のゴムの 表面の油分が飛んでしまっており、熱がかかっていました。 2はこのような感じで設置しました。 1よりもだいぶん熱は減りましたが、まだ熱が下に来ており、しばらくは大丈夫かもしれませんが 中長期で考えるとゴム車の劣化が懸念されました。 3はこのような感じに設置しました。 2と比べても格段に熱が抑えられ、キャスターの車輪まで熱が行っていないようでした。 それに合わせて、床への熱射が0となり、下の部分に熱がいかないカマドが完成しました。   2でも良いという意見もありましたが、 「炊き出し器は長期に渡って使用する可能性がある。だからこそ『より安全』な商品づくりを」 というヤマヤの理念として、三層構造でカマドを製造しています。   しかし、このカマド、このままだと使いづらいですね。 特に、「薪」を使う時この形では灰の処理が大変そうです。   そこで次の回では、  

まかないくん解体新書2018②「動かせる炊き出し器を目指して」

こんにちは!まかないくんです。 「炊き出し器なんてみたことないから、何が違うのか分からない」 という意見にお応えすべく設けました、この企画。 「まかないくん解体新書2018」 栄えある第二回のテーマは「動かせる炊き出し器を目指して」   前回の記事にて、三つの問題点「動かせない」「熱い」「煙たい」があるといいました。 その中の一つ「動かせない」をここで解決していきたいと思います。 動かすには、カマドにキャスターをつけましょう。 問題はあるでしょうか? あります。ドラム缶タイプとカマドタイプそれぞれでお伝えします。 ドラム缶タイプはそのまま付けると「燃えます」 こういう形になるのでしょうか? カマドタイプにキャスターをつけるとなると、「重すぎる、キャスターが巨大になる、 カマド部分が崩れる崩落する等」。 こういう形になるのでしょうか? 「動かす」というフィルターをかけたとき、ドラム缶タイプは検討の余地があるが、 カマドタイプは「大きさ・危険性」の観点から現実的ではないと感じました。 ドラム缶タイプで行うことにし、「キャスターが燃えてしまう」という問題に対して どうアプローチをしていくかを考えました。 1、ドラム缶の下をつける。 2、下にもう一層空気層を入れる。 3、さらにもう一層空気層を入れる。 その結果は次回にお願いいたします。

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